Tuesday, 1 November 2016

Me and Earl and the Dying girl

友人おすすめの『ぼくとアールと彼女のさよなら』を鑑賞。



え、何これ、ものすごく良い映画なんですけど!しょーもないフランス映画ばかり観てささくれ立っていた私の心に、潤いと感動を与えてくれました(笑)

リア充にもオタクにも馴染めず、無難に高校生活をやり過ごそうと目論む冴えない青年が主人公。この辺りの設定がウォールフラワーを彷彿とさせますね(これまた傑作)。この手の映画を観るたびに、アメリカに生まれなくて良かったと心の底から思います。プロムなんてあったら、私絶対豚の血を浴びせられていた側の人間だわ〜(笑)

物語は主人公グレッグと親友のアール、そして原題でいうところの”死にかけの女の子”レイチェルの3人を軸にして進んでゆきます。空気感は似ているけれど、よくあるサブカル系青春映画とはひと味違う今作。恋だとか友情だとか、ありふれた言葉で線引きしない彼らの曖昧な関係性が私は好きでした。大切に想う人がいる。もうそれだけで十分じゃない。肥大化した自意識を持て余す、スーパーこじらせ女子のワタクシの心も浄化されたような気分です(笑)穏やかに、そして余白をもって展開するストーリーが、teen spiritのもどかしさと相まって妙に心地よかったです。

センスもクオリティもぐずぐずのパロディ映画を作り続けるグレッグとアール。謎多きアールの曲者感ったらないよ。こいつおっぱいのことしか考えてないやんけ!と思いきや、意外と核心を突いてくる発言が多くて途中何度か泣かされました。目は死んでるけど、いい奴。自分たちも意識しないような心の奥底で、二人はちゃんと繋がっているんです。思い出しただけで涙出そう。←
タトゥーまみれの社会の先生もとても素敵でした(ウォールフラワーでいうところのポール・ラッドね!)。主人公が一番辛い時にかけた先生の言葉が胸に浸みます。私も辛くなったら思い出すことにしよう。

↑二人のパロディ作品。手描きのジャケットはなかなかおしゃれ。


余談ですが、この映画は未公開シーンも見逃せません。本編に入れ込むか最後の最後まで悩んだという監督の言葉通り、どのシーンも印象的で、主人公を演じるトーマス・マンの演技力が際立ちます。そんなわけで、特典映像は監督のコメンタリー付きで見ることをおすすめします。

なんでもないようなことが〜幸せだったと思う〜♪
ロードの歌詞を思い起こさせるような(喩えが良くないかw)、何気ない日々の中で育まれる幸せのかたちを見た気がしました。これから観る方はハンカチのご用意を忘れずに!

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