黒い眼帯姿のアラン・ドロンでお馴染みの、山猫を観てきました。4K完全復元版!
と聞いてもピンとこないけど、きっと何かがすごいんでしょう。フゥー!
ヴィスコンティmeetsドロンという極上の組み合わせに、心躍らせながら早起きして観に行きました。いや〜、何ていうか、
長かった…(笑)
久々の3時間越えです。チケットを予約したときちょっと焦りました。延々と続く舞踏会シーンや会食シーンは、ヴィスコンティならではの演出が光る象徴的な場面ではあるんですが、現代のテンポの速い映画やドラマに慣れてしまっているワタクシには少しばかり辛いものがありました。贅沢ではあるんだけれども。
舞踏会シーンなんて全体の1/3を占めるというじゃないの!単調な長回しも演出の一部らしいんですけどね。編集が面倒くさかったわけではないのです(ディスってない、ディスってない)
この豪華絢爛な舞踏会シーンは映画史に残る伝説となっておりまして、自身も貴族の末裔であるヴィスコンティのこだわりが(引くくらい)詰まっています。自然光にこだわった彼が照明を使わず蝋燭の炎のみで撮影を行ったのは有名な話ですね。そのため会場は蒸し風呂と化し、出演者たちの汗は演出ではなく全てリアル。ご婦人方がすごい勢いで扇いでいるのが確認できます。アラン・ドロンも額の汗を拭き拭き、アンジェリカとイチャコラしていましたね。まー新鮮。エキストラも1/3が貴族階級出身の方々だそうで。もう究極のリアリズムです。ヴィスコンティ坊ちゃんお見事。
↑どこを切り取っても絵画のような美しさ。
でもって、主演のバート・ランカスターが魅せる魅せる。伯爵の悲哀に満ちた眼差しにはぐっとくるものがあります。透き通ったブルーアイズがとても美しい!最初はただの卑猥なじじいにしか見えなかったんですが(神父さまの視線があやしすぎるんだよ)、終焉に向かう貴族社会の虚しさを静かに、そして気品を持って演じています。展開に勢いがあるのは前半ですが、物語に深みが増すのは後半です。ま、ところどころ記憶が抜け落ちていて全体像がかなりぼやけているのですが(苦)この映画のテーマはあくまでもイタリア貴族にみる滅びの美学。アラン・ドロンにつられて勝手に恋愛映画を期待して観ると痛い目にあいます。私のように(笑)念願の眼帯姿は失神しかけるほど美しかったのですが、恋人役のアンジェリカが全然好きになれず、複雑な思いで最後まで見ていました。まぁそういう役どころなんだから仕方がない。
巨匠ヴィスコンティの美意識に触れた贅沢な時間でしたわー。ちょっと寝たけど。←
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